シュレディンガーの息子映画『望み』感想文
ほぼほぼ理想ハウスの中だけで展開していく舞台劇に近い地味なドラマを例のぶっきらぼう編集とか変則カメラワークで中だるみなく一定の緊張感を保って見せ切るのだから作りはインスタントでも味は本物な『人魚の眠る家』姉妹編。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
ほぼほぼ理想ハウスの中だけで展開していく舞台劇に近い地味なドラマを例のぶっきらぼう編集とか変則カメラワークで中だるみなく一定の緊張感を保って見せ切るのだから作りはインスタントでも味は本物な『人魚の眠る家』姉妹編。
寝ながら観た方が平和に観れる映画というのもある。そんな睡眠感想二本立て。
映像はカッコイイし社会批評は切れ味抜群、あどけなさと退廃の同居するグイ・ルンメイのファム・ファタールな眼差しも背徳的で素晴らしい。はい2020年ベスト面白映画候補。
面白いんですけど落書きの精神を称揚したい作り手サイドと落書きの反社会性は教育的配慮から映画に出したくない製作サイドの間でうまい妥協点が見つけられなかった映画という感じ。
こういう物語を気の利いた小品として演出するのも芝居の力で小品の枠を変形させてしまうのもあんまり観たことがないのでなんか地味にすごい映画だと思った。
こんなのコントにもならないがどうせやるんなら吉本芸人とか出してちゃんとバカみたいにやるべきなのだ。バカみたいなお話はバカみたいに撮るべきであって糞真面目ぶるべきではないのである。
あまりにしょうもない話だったので大いに笑いましたが人によってはこれ以上ないくらいに鋭利な政治ドキュメンタリーとしてメンタルにぶっ刺さるんじゃないだろーか。
いやもうビックリですよ。ガキ向け映画のはずなのにそこらの大人向け恋愛映画なんかより全然大人の恋愛をしていたし、恋愛の本質に迫ろうとしていたので。素晴らしい映画だと思います。
なんだかまたえらいドキュメンタリー映画を観てしまった。これはなんと表現すればよいのだろう…俺の中ではハードボイルド武闘派ジャーナリスト落合信彦の陰謀ルポの実写映画版みたいな感じなのだが…!
少なくとも劇場公開される映画ではたぶん類似作のないオリジナルな映画、映画というか実験、実験というか批評的パフォーマンス・アートとして非常に興味深い作品だった。