メロクロ映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』感想文
そこだけ切り取ればなんでもない小さな行動や仕草や風景のひとつひとつも長い人生の積み重ねの上に置かれると独特の意味や情緒を帯びてくる。そのかけがえのなさを大切にする滋味深い映画だと思った。イイ映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
そこだけ切り取ればなんでもない小さな行動や仕草や風景のひとつひとつも長い人生の積み重ねの上に置かれると独特の意味や情緒を帯びてくる。そのかけがえのなさを大切にする滋味深い映画だと思った。イイ映画。
短い中にもショウビズ業界の裏表、ハリウッドの功罪、くるくる変わるスタアと観客の関係、そこにある一抹の救いを描き切って、ラストは慎ましくも荘厳にハリウッドに殺された大女優ジュディ・ガーランドを追悼。実にすばらしい『スタア臨終』映画でしたね。
泣いたよ。上映中何回も泣いた。泣き笑いだけれども既にぐしょぐしょの手で拭うその涙はあたたかかった。
目に光のない窪田正孝、こんなところにハマるとは思わなかったベッキーがハマり役、歌舞伎町をダッシュするブリーフ一丁マン、どこか気の抜けたシナリオが逆に味、後半の乱戦は少しだけ『殺し屋1』風味で、慎ましくもうつくしいラストは三池の歌舞伎町映画らしからぬハッピーエンド。良い映画だった。
ブルース、ゴスペル、ショットガン、湿地帯、盲目の黒人牧師、はみ出し者二人のロードムービー。超アメリカ。超アメリカン・ニューシネマ。
障害者が主人公だからと過度に障害を前に出す必要もないと思うが、俺はね、障害者も健常者も変わらないよ! っていう強さ志向の「やさしさ」が、どうしても無神経で、個を押しつぶすものに見えて受け付けなかったんだよ。
演出とか脚本は平凡でもその平凡さがかえってよかったとも思った。ことさらに奇をてらわない方が刺さる題材ってあるじゃないですか。これそういうタイプの映画。アンソニー・ウォンは名演。
島根の刑務所にカメラが入った…と聞けば中島貞夫×松方弘樹の『暴動島根刑務所』が否応なしにも頭に浮かんでしまうわけですが全然そんなんじゃなかったです。メンタルヘルス系の人間再生ドキュメントでした。
ライブビューイング感がすごかったので観客参加型上映とかやってほしいな、こういうの。みんなで猫の仮装して。あとCG化け猫はオマケです。
良い映画だった。フィルマークスとかだとたぶん平均2.5点ぐらいの映画だと思いますが俺マークスでは80点満点中の110点フレッシュです。トマトも混じっているな。どうせトマトメーターも腐ってるだろう。