超絶惜しい映画『屍人荘の殺人』感想文(途中からネタバレあり注意)

ものすごく呆れる。ものすごくバカなんじゃないかと思う。ものすごくどうしようもないと思うがしかし、しかし…ものすごく嫌いになれないし、ものすごく感心させられるところもある映画でもあった。少なくともあの殺人トリックは他に類を見ない。

キラキラ賛歌映画『殺さない彼と死なない彼女』感想文

1ミリたりともキラキラしていないところから始まって満開のキラキラ映画にたどり着く逆説的キラキラ映画。泣いてしまうぞそのキラキラへの意志。キラキラ生きようとすることへの不退転の意志。

朝ドラみたいにすればよかったのに映画『ひとよ』感想文

いっそ劇画的な重々トーンを廃して朝ドラムードでタクシー会社&家族の奮闘記にしてしまったほうが家族の抱える葛藤や問題に光が当たって家族ドラマとしておもしろかったんじゃないか、とおもう。

つけびして煙り喜ぶ映画『楽園』感想文(途中からネタバレ含)

一筋縄ではいかない瀬々敬久の叙述トリック搭載型ミステリーにして反ミステリー。一見重くてむずかしい映画っぽいですが片岡礼子の艶姿とか佐藤浩市のまさかの勇姿にビンビンさせられたりする見所いっぱいの大サービス映画です。

越境上等映画『ボーダー 二つの世界』感想文(観た人向け、ネタバレあり)

説明の少ない作りなので寓話性高し、比喩多し、解釈自在。むずかしい映画では少しもないが観ながらあれこれ思考を遊ばせることができるという意味で、観る側のボーダーでガチガチの思考も越境させるボーダーレス映画だったように思う。おもしろかったです。

低温百合映画『サラブレッド』感想文

幾重にも織り込まれた皮肉と冷笑が黒い笑いを引き起こす人でなし映画だったがその底に流れるのは逆説的なヒューマニズム(かもしれない)ということでなかなか泣きの百合映画です。

映画感想『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』

監督が若い人なのでネット依存を安易に悪いものとしない。そのイタさを叩きつけながらも前に進むためには必要な時もあるっていう風に捉える。たぶんリアルなアメリカン中学事情も興味ぶかい良い現代ティーン映画でした。

キラキラ脱出映画『いなくなれ、群青』感想文(途中からネタバレあり)

技術的には雲泥の差があるとしてもその批評性においては山戸結希渾身の反キラキラ映画『ホットギミック』に迫るところがある。あったように思う。

【ネッフリ】『マインドハンター(シーズン2)』感想その2(ネタバレあり)

シーズン1はさすがに開幕エピソードから気合いが入っていて檄渋かつゴージャスな映像のオンパレードでしたがシーズン2はそこらへん控えめでストーリーを見せることを優先。いやぁ面白かった。(2/2)