寺田ヒロオに捧ぐ映画『KCIA 南山の部長たち』感想文
『黒金星』みたいなゴリゴリの胃痛系サスペンスを想像していたらさにあらず、革命後の男たちのすれ違いと空回りを描いた切な系人間ドラマ。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
『黒金星』みたいなゴリゴリの胃痛系サスペンスを想像していたらさにあらず、革命後の男たちのすれ違いと空回りを描いた切な系人間ドラマ。
作りはよく似ているが全体の完成度で言えば『犬鳴村』よりもこちらの方が高かったように思う。でも観てて楽しかったのは僅差で『犬鳴村』の方かなぁ。最後の木祭りは面白かったですけど。
正直なところそんなに大事でもないような秘宝編集長メンヘラDM恫喝事件がなぜこれほど燃えたのか!その全てがここには…まぁ全てはないんだけどそこそこはあると思うよ!
タイトルの風船、コンドームを膨らましたやつのことだとは思わなかったよね。
淡々とした地味な映画ですけど緊張感溢れる密室ドラマって感じで良い映画でした。まぁそれにしても、こんなの見ちゃうと『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹が超善人に見えちゃうね。
たとえ些細なものであっても人が自分の罪を認めるとはどんなに難しいことか、だからこそ尊いことか、みたいな。一筋縄ではいかないサスペンスフルなノワール宗教寓話で面白かった。
真摯な心のドラマでありながらも死体インスタレーションは美しく平手友梨奈は触手責めを食らうというこのグラン・ギニョル的混沌。いやぁ…非常に、良い映画だったね。
風刺のつもり。
二度目の緊急事態宣言で街は感染爆発大パニック!…と思ったら全然パニック感なくて萎えましたから映画の中でパニックを体験することにします。俺激選のアマプラおすすめホラー、モンスターパニック編です。
いやはやまったく、エンタメ性と批評性とアート性が恐ろしく高い純度を保って融合した傑作であったよ。子供の側転で泣かせるのは反則!