残酷ヒーロー映画『モータルコンバット』(2021)感想文
序盤はバリバリB級ノリでタガワのヒロユキ大活躍の旧『モータルコンバット』、そして終盤はフェイタリティの連続でサナダのヒロユキ大活躍の新『モータルコンバット』…そんな夢の映画版『モータルコンバット』があればなあ! というのを中学生的に妄想して楽しめますから面白い映画でした。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
序盤はバリバリB級ノリでタガワのヒロユキ大活躍の旧『モータルコンバット』、そして終盤はフェイタリティの連続でサナダのヒロユキ大活躍の新『モータルコンバット』…そんな夢の映画版『モータルコンバット』があればなあ! というのを中学生的に妄想して楽しめますから面白い映画でした。
だいたい俺はこの前作からしてそれお前んとこのご都合ですよね!? みたいなシーンの連続が嫌だったのでその成分が今作では更にスーパーパワーアップしていたとあっては冷静に見られるはずがない。
いや別に面白いんだけどあぁこういうやつねってなるいつものオトコノコいらっしゃい映画だったので俺には壊滅的に合わなかった。
このあいだ見た別の映画の感想でぶっちゃけ娯楽映画の面白さとか基本予算の多寡だよとか暴言を吐いてしまいましたが『カンナチ』みたいな映画を観るとそうは言っても例外はありえるのだともしかしたらかなり間違ってるかもしれない方向への勇気をもらえます。
ゲームの精神でもってループ世界をオープンワールドに遊び倒す約100分間はジョークもアクションもミステリーも人間ドラマもフランク・グリロの首の切り落としも満載のゲーム世代のゲーム賛歌、と人生賛歌。良い映画!
まぁどうかと思うところは当然たくさんあるわけですけど娯楽に徹した作りは潔いしYouTuber時代の映画として興味深いし見所もたくさんあります。観よう。
身も蓋もないがゆえに単なる職人のB級映画として観ることができるのがカーペンター映画なら、そこからいくらでも意味を汲み出せるのもまたカーペンター映画。というわけで俺がカーペンター映画を観て考えたことを作品分類をしつつ大☆開☆陳!
『激突!』と『ヒッチャー』をニューオリンズの市街地に持ち込んでB級映画のお手本『セルラー』のアイディアとテンションとかブチ切れの名作『フォーリング・ダウン』のキャラクターとか雰囲気を突っ込んだようなB級快作。あおり運転ダメ絶対!
だいぶわけわからんが観終わった後は新コロ禍の憂さをだいたい40分ぐらいは忘れさせてくれたので楽しい映画であったことは確か。
切ないなーこれは。ユーモア満載で笑えるけど切ないっすわー。東映実録映画×イギリス不良映画という感じのガイ・リッチー円熟の一本。