映画感想『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』

ひとつの時代の終わりと新しい時代の始まりをムヒカという存在に託してクストリッツァはただコーヒーを味わう74分。果たしてそのお味は…のくだりにもしっかり笑わせられる、豊穣なドキュメンタリー映画でしたなぁ。

スタア臨終映画『ジュディ 虹の彼方に』感想文

短い中にもショウビズ業界の裏表、ハリウッドの功罪、くるくる変わるスタアと観客の関係、そこにある一抹の救いを描き切って、ラストは慎ましくも荘厳にハリウッドに殺された大女優ジュディ・ガーランドを追悼。実にすばらしい『スタア臨終』映画でしたね。

あなたの人生の映画『ザ・ルーム』感想文

泣いたよ。上映中何回も泣いた。泣き笑いだけれども既にぐしょぐしょの手で拭うその涙はあたたかかった。

最初の30分は傑作映画『Fukushima 50』感想文(悪口注意)

すごいぞ!映画開始5秒で地震!タラタラした登場人物説明もなければクドクドした状況説明もない!こんな和製パニック映画が観たかった!最初の30分だけは!

呑んだら死ぬ映画『屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ』感想文

ホンカの家とか地獄底辺酒場のすばらしい汚美術、そこに集う面々の最高にきたならしいご尊顔、あまりにも欲望が直球かつチープなバカ妄想場面、酒飲みを狂気へ誘う酒瓶の音色。すべてがどうしようもなくて最高だった。

映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』極私的感想文

ギリアム死ぬのかなって思ったよ。でもこれが遺作なら文句ない。たしかにつらかった。物語の結末は極めてビターに見える。けれども本質は違うと思った。あれはドン・キホーテを演じドン・キホーテとして笑われながら生を終えることを決意したギリアムの生涯逃走宣言で、ギリアムの逃走のススメなのだ。すばらしいね。

英雄はたいへん映画『リチャード・ジュエル』感想文(ゆる検証付き)

面白かったがアメリカ映画にとっての実話は神話と同義っていうの、もっとちゃんと広まればいいなぁとかも思ったりする映画(騒動)体験でしたね。あと脚本書いたビリー・レイはいろいろ反省しろ。

肌に合わない映画ってあるんだよ感想『フォードVSフェラーリ』

観ながら前読んだ自己啓発本を思い出したりしたのでもうダメ。そっちの方に思考が行くって身体じゃないくて頭で観てるってことですから。こういう映画を頭で観たら楽しめないよ。

極私的2019年映画ベスト10!

2019年も面白い映画ばかりだったので例年そうですが選ぶの難儀、最終的にベストっていうかこれ面白かったけどあんま観られてないっぽいのでもっと観られてくれ的な政治的判断が働き流行語大賞のようになってしまっている。

血の出ない殺人映画『テッド・バンディ』感想文

担当判事ジョン・マルコヴィッチが裁判をショウ化しようとするバンディの奇行を冷めた目で眺めるの、可笑しかった。そういう目で見る映画だったんだろうと思う。