嘘ばっかり映画『グリーン・ライ エコの嘘』感想文

大企業の発する安易で甘美な「持続可能性」の売り文句を消費して「意識の高い俺」に酔ってる市民だってエコの嘘の立派な共犯者。特別なにか行動を起こさなくてもそう意識するだけで変わるものもあるんじゃないでしょーか。そんな映画。

グルが導く『ホドロフスキーのサイコマジック』感想文

奇才ホドロフスキーの精神分析療法ドキュメンタリー。これを観るとホドロフスキーの映画に出てくる様々な暗喩や象徴的行為の含意がするする読み解けるので、いかにも怪しげな臭いがしますがむしろホドロフスキー映画の入門編としても観れる。

復興生活ドキュメント『春を告げる町』感想文(非感想注意)

少しだけ話題の「仮設の映画館」で観たのだが映画館に行けないストレスが爆発した結果、映画の感想では全然なくなってしまった。後から文句言われても困るので読む人は自己責任で読んでください。

アゲインスト映画『白い暴動』感想文

なかなか無邪気に褒めにくいドキュメンタリー映画ではあるがクラッシュのライブ観れるしあんま知らないパンクバンド何組か観れたしサントラもカッコよかったのでまぁいいか、まぁいいってことにするよ在宅鑑賞とはいえ久しぶり観た新作映画だし。

じゃない映画『レ・ミゼラブル』感想文

日常の中にぽつんと紛れ込んだ非日常が次第に秩序を狂わせ日常を崩壊へと導いていく。抽象的に言えばそういうお話なのでそれならそれで突き詰めてほしかった、いや突き詰めなくともそういうお話としてきちんと着地していれば…という思いがなまじハード警官ドラマ+社会派群像劇として面白いものだから、めっちゃあった。

映画感想『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』

ひとつの時代の終わりと新しい時代の始まりをムヒカという存在に託してクストリッツァはただコーヒーを味わう74分。果たしてそのお味は…のくだりにもしっかり笑わせられる、豊穣なドキュメンタリー映画でしたなぁ。

世界は悲惨でいっぱい映画『ナイチンゲール』感想文

女性主人公の変形西部劇構造はコーエン兄弟の『トゥルー・グリット』、アボリジニの青年とのロードムービー的な側面は『WALKABOUT 美しき冒険旅行』、と言っている人がいてなるほどと思ったが、俺としてはそれに加えて「最初っから特別完全版の『地獄の黙示録』」と言いたい。

なごやか映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』感想文

個人的に想像する全共闘といえば「ゲバ棒」とか「粉砕」とか「中止だ中止!」等々のワードが形作る要は『AKIRA』的なものだったので拍子抜けを通り越して脱力すら覚えるほのぼの討論っぷりにズッコケてしまった。でも羨ましいね、この関係性。

メロクロ映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』感想文

そこだけ切り取ればなんでもない小さな行動や仕草や風景のひとつひとつも長い人生の積み重ねの上に置かれると独特の意味や情緒を帯びてくる。そのかけがえのなさを大切にする滋味深い映画だと思った。イイ映画。