全然笑えないお笑い映画『ジョーカー』感想文(多少ネタバレ注意)
劇伴は重いしお話はシリアスそのもの、ジョーカーが舞台の上でネタを披露する場面等々死ぬほど居たたまれない場面の連続だが、でもなんだかブラックジョークのようでところどころ痙攣した笑いさえ漏れてしまう。食えない映画。時代を読んだ映画だし、時代が生んだ映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
劇伴は重いしお話はシリアスそのもの、ジョーカーが舞台の上でネタを披露する場面等々死ぬほど居たたまれない場面の連続だが、でもなんだかブラックジョークのようでところどころ痙攣した笑いさえ漏れてしまう。食えない映画。時代を読んだ映画だし、時代が生んだ映画。
自由のために速度を求める二人の前に立ちはだかるのが速度を拒絶することで自由を得ようとするアーミッシュ、というのはなんだか図式的というか説教臭いと思ったが、ともあれさり気ない風刺もよく効いたなかなか面白い映画だった。
率直に言って俺にはあまり良さがわからない映画だったが、今の世にこれがシネコンでリバイバル上映されたことにはやはり心を動かされてしまう。
『ヘルボーイ』のシリーズ作というよりは『ドゥームズデイ』に続くニール・マーシャルの来いよ終末第二弾として見たい。というか前の『ヘルボーイ』観てないのでそういう風にしか観られなかった。
もはや監獄脱出ものらしい見せ場といえば収監されたマックス・チャンがスタンガンを使って火を起こすところぐらいだと思うがそんなことはどうでもいいんだ! マックス・チャンが超エロい! 超エロいぞ!
現実が野蛮な時にフィクションの野蛮は本当に不利。野蛮系映画作家には苦しい時代よね。この野蛮に単純にうおおおおおおってギン勃ちできるぐらい、現実の方が理性的になってほしいものです。
いや本当に良い映画だった。アングラ界隈の『この世界の片隅に』ではないかと思う。人の作品を挙げて褒める失礼もわかってはいるが思ってしまったので。
お話は好きな感じでは全然ないが出てくる人の佇まいとか演技は良かった。
『HELLO WORLD』はプログラミング学習で最初に出力してみる言葉。さあ同じ事をループしているだけのプログラムされたオタク妄想に閉じこもってないで新しい世界に飛びだそう! 道徳教材みたいなSFだ。
監督が若い人なのでネット依存を安易に悪いものとしない。そのイタさを叩きつけながらも前に進むためには必要な時もあるっていう風に捉える。たぶんリアルなアメリカン中学事情も興味ぶかい良い現代ティーン映画でした。