血の出ない殺人映画『テッド・バンディ』感想文
担当判事ジョン・マルコヴィッチが裁判をショウ化しようとするバンディの奇行を冷めた目で眺めるの、可笑しかった。そういう目で見る映画だったんだろうと思う。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
担当判事ジョン・マルコヴィッチが裁判をショウ化しようとするバンディの奇行を冷めた目で眺めるの、可笑しかった。そういう目で見る映画だったんだろうと思う。
すごい寝たのでよくわからないがつまらない映画ではなかったみたいです。
例年この時期になるとクリスマスホラーを一人でたくさん観て世間に文字の形をした血を吐きかける奇祭を執り行っているのですが今年も何か劇的な予定が入ることとかなかったので10本観て吐きました。
ものすごく呆れる。ものすごくバカなんじゃないかと思う。ものすごくどうしようもないと思うがしかし、しかし…ものすごく嫌いになれないし、ものすごく感心させられるところもある映画でもあった。少なくともあの殺人トリックは他に類を見ない。
ほんの9年前まで典型的なJホラーフォロワーの超々低予算自主映画みたいのを撮っていた新人監督がいつの間にかこんな大作撮るところまで来てしまったんだからハリウッドというのは何が起こるかわからないところです。
クロエ・グレース・モレッツのぱっつんウェイター姿! 一生懸命怯えた演技をするが怯えるにはガタイと体幹がしっかりしすぎているから怯えた感じにならないギャップ! 開放的ニューエイジャーなルームメイトと会話を交わす時の優等生っぷり! モレッツに萌える映画。
いっそ劇画的な重々トーンを廃して朝ドラムードでタクシー会社&家族の奮闘記にしてしまったほうが家族の抱える葛藤や問題に光が当たって家族ドラマとしておもしろかったんじゃないか、とおもう。
予想の斜め上を行くこと甚だしい怪展開で斜め上を行ったと思ったらまた斜め上を行く、それからまたまた斜め上を行って更にそこからも斜め上を行く、気付いたらぐるっと一周して元の位置に戻ってきてしまった、みたいな映画でした。すごかったです。
組織と家族と法の間で揺れ動くヴァンダムの渋演。突発的なバイオレンスや硬派な共演陣も素晴らしい、良いノワール映画だったと思う。
一筋縄ではいかない瀬々敬久の叙述トリック搭載型ミステリーにして反ミステリー。一見重くてむずかしい映画っぽいですが片岡礼子の艶姿とか佐藤浩市のまさかの勇姿にビンビンさせられたりする見所いっぱいの大サービス映画です。