【ネッフリ】『スペンサー・コンフィデンシャル』感想文
ロバート・B・パーカーの探偵スペンサーもの(原作者はエース・アトキンス)の映画化。へぇこれがあのフィリップ・マーロウとかと並ぶとか並ばないとかいうハードボイルド・スタアのスペンサー。ブックオフの海外文庫コーナーに行けばどの店舗にも必ず何冊かは置いてあるが今まで読んだことはなかったからこれがスペンサー初体験になってしまった。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
ロバート・B・パーカーの探偵スペンサーもの(原作者はエース・アトキンス)の映画化。へぇこれがあのフィリップ・マーロウとかと並ぶとか並ばないとかいうハードボイルド・スタアのスペンサー。ブックオフの海外文庫コーナーに行けばどの店舗にも必ず何冊かは置いてあるが今まで読んだことはなかったからこれがスペンサー初体験になってしまった。
ウェルメイドっていうのはこういう映画のことを言う。永野芽郁はちょっとミスキャストだったんじゃないかとか色々思うところもないわけではないけれど、まこういう映画は面白かったねー考えさせられたねーで済ませちゃったらいいんじゃないすかね。
泣いたよ。上映中何回も泣いた。泣き笑いだけれども既にぐしょぐしょの手で拭うその涙はあたたかかった。
すごいぞ!映画開始5秒で地震!タラタラした登場人物説明もなければクドクドした状況説明もない!こんな和製パニック映画が観たかった!最初の30分だけは!
ダメな映画だなぁという感想とテレンス・マリック面目躍如という感想が同居するなかなか独特な映画体験だった。
CGワンちゃんのバーナードくん、中に人間が入っているようかのように動くのでハリソン・フォードの出演を念頭に置いて観るとハン・ソロとチューバッカの出会いをチューバッカ目線から描いたスターウォーズの外伝に思えてしまう。
目に光のない窪田正孝、こんなところにハマるとは思わなかったベッキーがハマり役、歌舞伎町をダッシュするブリーフ一丁マン、どこか気の抜けたシナリオが逆に味、後半の乱戦は少しだけ『殺し屋1』風味で、慎ましくもうつくしいラストは三池の歌舞伎町映画らしからぬハッピーエンド。良い映画だった。
『デスノート』的な書いたら現実になる本の話かと思っていたが怖いことを勝手に書いて勝手に現実にしてしまう本の話だった。怖さはマイルドですがよくできてます。
『オウム真理教の精神史 ロマン主義・全体主義・原理主義』という本を読んでいたらこれ『ペルソナ2』じゃんってなってしまった。オウムはともかく『ペルソナ2 罪/罰』というメジャーにしてカルトな世紀末ゲームの全体像がなんとなくこれで掴めたような気がしたので、関連しそうな本を漁って考察。その6。
観たこともないような光景を見せてくれるのも映画の醍醐味かもしれないが、観たことしかないような光景を見せてくれるのもまた映画の醍醐味だ。こういうのが観たかった。映画館ならよくできた佳作、午後のロードショーなら傑作なニコケイ映画。